表記揺れの影響を受けず物件を特定できる「不動産共通ID」ベータ版の提供を開始

株式会社Geolonia(ジオロニア)と一般社団法人不動産テック協会は、「不動産共通ID」ベータ版の提供を2021年4月15日に開始します。利用は審査制で、基本機能は無料で提供するほか、ジオコーディングや住所の正規化が可能な有料プランも月額5万円で提供します。

不動産テック協会とGeoloniaのロゴ

不動産共通IDは、不動産取引における企業間での情報連携やデータ連携などの実現を目的として提供するIDです。不動産事業において統一されていない住所や物件名の表記に対して、同一の物件を示す情報に共通のIDを付与することで、表記揺れに影響されることなく物件の特定が容易となるインフラ環境を構築、不動産情報のデータ連携にかかるコストの大幅削減を図ります。

Geoloniaは、2020年8月に日本全国の住所マスターデータをオープンデータとして公開しており、不動産共通IDはこのマスターデータを元にGeoloniaと不動産テック協会が共同で整備。3月15日よりベータ版公開に向けた事前利用登録の受付を開始しました。

事前利用登録は、すでに大手不動産会社や不動産テック企業、放送局、公的機関など46社の申し込みを受けており、本日よりベータ版の提供を開始するとともに申し込み受付を開始します。

ベータ版の申込者は、不動産テック協会の審査を経た上で、Geoloniaが提供する専用サイトを通じて不動産共通IDのAPI利用や仕様書の閲覧が可能です。

不動産共通IDの管理画面

不動産共通IDのAPIは基本無料で提供し、APIへ住所文字列を送ることで不動産共通IDを取得できます。また、有料で提供するAPIでは、不動産共通IDに加えて正規化済みの住所や緯度経度を取得できます。有料APIの利用料は月額5万円(税込)で、不動産テック協会の会員は月額1万円(税込)で利用できます。

不動産共通IDの仕組み

料金プラン

無料プラン

エンドポイント名入力出力
不動産共通ID API住所文字列不動産共通ID
不動産共通ID参照API不動産共通ID不動産共通ID(統合確認)

有料プラン

エンドポイント名入力出力
不動産共通ID API住所文字列不動産共通ID
正規化済み住所
緯度経度
不動産共通ID参照API不動産共通ID不動産共通ID(統合確認)
正規化済み住所
緯度経度

不動産共通IDで物件を特定することで、物流の誤配送を防ぎ再送コストを削減できるほか、在宅情報と組み合わせることで在宅の家のみに配送する、夜間光街画像との組み合わせで空き家を特定する、といった活用が可能です。また、特定の物件に対して複数の工務店や施工会社が行った修繕を1つに集約し、建物の修繕履歴を一元管理することも可能になります。

不動産共通IDは、開発期間の短縮やスムーズな連携を目指し、今後株式会社ライナフのスマートエントランス「NinjaEntrance」とヤマト運輸株式会社のマルチデジタルキープラットフォームとを連携した新しい配送手段に活用される予定です。

ライナフとヤマト運輸の実証実験についてはライナフのリリースをご覧下さい。

安心な置き配の実現に向け、スマートエントランス「NinjaEntrance」を活用したオートロックマンションでの実用実験を開始 〜ヤマト運輸のマルチデジタルキープラットフォームと連携~ | Linough Inc.

https://linough.com/press20210301-2/

GDPにして61兆円の規模を持ち、膨大なビッグデータを保有する不動産産業において、不動産の基盤データを構築することで業界全体における情報連携を推し進め、データ活用の幅を広げてまいります。

不動産テック協会について
名称: 一般社団法人不動産テック協会
代表理事: 赤木 正幸、同代表理事: 巻口 成憲
事業内容: 不動産とテクノロジーの融合を促進し、不動産に係る事業並びに不動産業の健全な発展を図り、国民経済と国民生活の向上並びに公共の福祉の増進に寄与するための活動
URL: https://retechjapan.org/

Geoloniaについて
名称: 株式会社 Geolonia
代表取締役社長: 宮内 隆行
事業内容: WebGLを利用した自由度の高い地図と、お客様が持つ位置情報を検索・解析するためのAPIを提供するホスティングサービスを提供
URL: https://geolonia.com/

本件に関する問い合わせ先
株式会社Geolonia 広報担当: 甲斐
mail: info@geolonia.com