Geolonia、「高松市スマートマップ」向けに 都市OSプラットフォーム “Geolonia Maps for SmartCity” を提供開始

株式会社 Geoloniaは、2023年3月31日、高松市が提供する「高松市スマートマップ」向けに、都市OSプラットフォーム “Geolonia Maps for SmartCity” の提供を開始しました。

都市OSプラットフォーム「Geolonia Maps for SmartCity」は、地方自治体の内外に散らばっているさまざまなフォーマットの地理空間情報を取り込み、自治体、企業、市民が活用できるデジタル地図とAPIに変換・配信するものするサービスで、地図とデータを使ったアプリケーション、ウェブサービス、電子申請フォームを簡単に作成することができます。

「高松市スマートマップ」は、施設情報をデジタル地図と都市情報APIとして公開・配信するもので、高松市においては、GISのデータなどの行政情報、オープンデータ、防災用のセンサーデータ、香川県が公開するハザードマップ用のデータを統合し、すでに防災アプリを公開しているほか、消防、MaaS、イベントマネジメント、電子申請などの分野での開発に取り組みます。

スマートマップ概要
スマートマップ概要

「高松市スマートマップ」は、令和4年度デジタル田園都市国家構想推進交付金事業デジタル実装タイプ:TYPE3において高松市が推進するスマートシティ施策として実現したもので、設計、開発、運用をGeoloniaが担当しました。

高松市 都市整備局都市計画課 デジタル社会基盤整備室様のコメント

この度、Geoloniaが開発した都市OSプラットフォームを通して地理空間データの基盤を構築しました。これにより、だれでもベース・レジストリの利活用が可能となり、この機能を使って防災などの一部分野でサービスを開始しております。今後は、この基盤を核としたDXによるベース・レジストリの利活用をさらに推進することで、あらゆる分野での新たな価値の創出、持続性の高い地域課題の解決に取り組んでまいります。

Geolonia Maps for SmartCity を活用した高松市スマートマップ関連サービスの概要

Geolonia は、以下のウェブサービスや GitHub を用いた効率的でオープンなワークフローの設計と開発を行いました。

1)高松市スマートマップ
https://maps.takamatsu-fact.com/
高松市の都市計画、道路・鉄道、用途区分、施設、センサーのデータを確認できる地図サイトです。地図とデータはAPIとして提供され、地図を使ったアプリケーションやサービスを開発できます。

高松市スマートマップ
高松市スマートマップ

2)高松市スマートマップ & 都市情報API 開発者向けドキュメンテーション
https://docs.takamatsu-fact.com/
ウェブサイトやウェブアプリケーションの開発者向けに、地図とAPIの利用方法を説明しているマニュアルサイトです。

3)高松市 GitHub Organization
https://github.com/takamatsu-city/
高松市のオープンソースソフトウェア、オープンデータ、ドキュメンテーションを公開し、運用しながらオープンソースのコミュニティーに参加するため、2023年4月に運用が開始されました。高松市では、従来から公開されていた施設のオープンデータもGitHubでの管理とAPI配信に切り替えるなど、オープンデータの利用と更新、課題の管理と改善、シビックテックからの提案の受けつけなどの体制を整えています。

GitHubオーガニゼーション
GitHubオーガニゼーション

4)たかまつマイセーフティーマップ
https://safetymap.takamatsu-fact.com/
高松市スマートマップの地図とデータを使った防災ウェブアプリ。地図上で自宅や職場など自分の生活する場所をタップすると、その場所のリスク(洪水、高潮、土砂崩れ)と、市の防災設備(避難所、病院、緊急避難道路、AED等)が表示されます。サーバーでユーザーの位置情報を取得することなく情報の表示ができています。

たかまつマイセーフティーマップ
たかまつマイセーフティーマップ

高松市スマートマップの今後の展開

Geoloniaは、高松市スマートマップを活用した市民サービスや行政施策の高度化・合理化を設計・開発を通して引き続きサポートします。民間企業や外部都市とのデータ連携の仕組み構築や、市役所にある他の都市情報の追加、未知のユースケースに対応するためのAPIの改善などを実施予定です。

市民や民間企業にとって、市役所に訪問する必要がなくなったり、手続きの待ち時間が削減されたり、新しく便利なサービスを受けられるなどのメリットの提供を狙います。

技術の概要

高松市スマートマップは、国土地理院、オープンストリートマップなどの自由なライセンスの地図データと、高松市が事業を通じて整理したデータを、ベクトルタイルという地図形式に変換して公開しています。

ベクトルタイルは、Google, Yahoo! Japanなどが採用し、国土地理院も試験公開する地図の最新技術の一つです。軽量で表示の速い人間用の地図を作成できるのと同時に、ソフトウェア、アプリ、AI等が地図を読める「機械判読性」があるという特性があります。可視化したあとの地図、さらにプログラミングしたり、ロボットやドローン、AIなどに読み取らせることで、課題解決につなげることができます。

Geolonia Maps for SmartCity の提供について

Geolonia では地方自治体が自前の地図とAPIを持つことができるGeolonia Maps for SmartCity を、他の都市にも提供する準備を進めています。以下の目標を掲げて、さまざまな課題やユースケースを持つ自治体に向けてサービス提供を開始します。

  • 各自治体における事業の成果は原則的にオープンソースとして公開し、他の都市による再利用を可能にし、全体の費用を下げる。成果を公開した自治体にとっても、他者による利用の過程で発生した機能追加などの改善を取り込めるようにする。
  • 地図とAPIによる開発コストが低いため、デザイン会社、ウェブ開発企業など、UI/UXのデザインを得意とするステークホルダーの参入が活発化する。
  • シビックテック、オープンソースコミュニティーが、技術やアイディアを通じて貢献できるエコシステムの実現に貢献する。